こんにちは。GalaabenD Press 清水です。
本日は先日御紹介させていただいた、ハンドメイドヒールブーツの続編として製法について御紹介させていただきます。
まず、代表的な製法としてグットイヤーウエルテッド製法、マッケイ製法の二つが挙げられます。
・マッケイ製法について
イタリアにてマルケ地方で考案された製法で、中底とソールを直接縫い付ける製法で定番のリメールカーフヒールブーツもこれにあたります。コバ張り出しを抑えられ、軽量でソールの返りと足馴染みも良いが、耐久性にはやや難があります。機械での大量生産にも向いており現在ラグジュアリーブランドの多くが取り入れトレンドを取り入れ易い製法といえます。
・グットイヤーウエルテッド(ハンドソーンウェルテッド)製法について
堅牢な作りでマッケイとの大きな違いは靴周囲のウェルトを中底に接着したリブ、アッパーをすくい縫いによって縫い上げ、ウェルトと靴底を出し縫いによって繋げる構造となっています。現在は機械生産が可能でこちらを総称してグットイヤーウェルテッド製法、またハンドメイドで行なう事をハンドソーンウェルテッド製法と呼び膨大な手作業での工程を経て作り上げられる最も伝統的な製法でハンドメイドヒールブーツはこれにあたります。
上記は基本的な工程ですが、製作工程においてヒールブーツの木型に甲革(アッパー)をあわせ縫い付けていく作業を釣り込みと呼びますが傾斜の強いヒールブーツの木型の釣り込みは非常に難易度が高い作業となります。また下画像はハンドソーンウェルテッド製法によって可能になっている特出した技術を御紹介いたします。
・ベヴェルドウェスト/スチールシャンク
ベヴェルドウェストはぐびれの強いハンドソーンで可能なて手製靴ならではの技法。また赤の枠部分ソール内部に歪みを防ぐシャンクがコルクを敷き詰めた中に配置されますが、一般的には木製、皮製シャンクが一般的ですが、最も堅牢なスチールシャンクを使用しており、コルクに負担を掛けないよう革を巻く配慮もされています。
・フィドルバック
グットイヤー製法についてはコバの全面に出し縫い糸が見えますが、べヴェルトウエストに釣り込んだ状態からさらにウェスト部の出し縫いが見えなくなるまで削り込む技術で出し縫いは見えていませんが縫いこんであります。ハンドメイドシューズでしか見れない難易度の非常に高い技術です。
・出し縫いのみ機械縫い(九部仕立て)
ハンドメイドシューズを製作している世界のシューズブランドではすくい縫い、出し縫い共に手作業で行なう工房と出し縫いのみ機械で行なう工房に分かれています。ヒールブーツのイメージには美しく整列したステッチが全体のイメージを締め、均等なファッジング(コバ周囲のギザギザ)にもマッチングしています。
2回に分けて御紹介してまいりましたがブランド渾身の一足として皆様に是非ご覧頂きたいと考えております。
オーダー方法、ディティールについての御質問ございましたら、原宿直営店までお気軽にお問合わせ下さい。
No. | Item. | Color. | Size. | Price. |
87900901 | Heel Boots | Black/Brick | S/M/L | 157,500 |